河川敷で生まれた5匹の兄弟。ホームレスの男性が飼っているウサギ小屋のそばで産み落とされた。母猫は子育ても熱心で人馴れしていたので、常連の釣り人や薬草を採りに来る年配の女性などに温かく見守られていた。しかし、母猫に与えられる食糧はいつもほんの一握りのドライフード。拾い集められた腐敗間近の弁当、古くなった食パン、不衛生な水。そんな食生活が続いていたために母猫は激しい下痢などで体調を崩し動けなくなってしまった。見かねた年配の女性が病院に運び、そのまま入院治療を続けているうちに母猫の里親さんが見つかった。とり残された生後2ヶ月の子猫達は無邪気に遊ぶこともあったが、そのうちウィルス感染症などにより伝染性貧血症になりすっかり生気を失ってしまい次々と死んでいき、キジトラのチロだけが生き残った。母乳からの免疫力も絶たれた事と栄養失調や不衛生な環境が原因だったのだろう。
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