93年、約7km下流の川崎から40歳代の夫婦が子猫を河川敷に放置しているところをホームレスのFさんが目撃。「捨てるくらいなら俺が面倒をみる。」と言って引きとった。「アカ」と名付けられ当時は片手に乗るくらいの大きさだったらしい。以来10年間、Fさんの伴侶として枯れ木を大黒柱にしたテント小屋で寝食を共にし、互いが信頼関係で結ばれた日々の暮らしであった。 飼い主の「気持ちが落ち込んだ時にアカを眺めていると元気になれる。」という言葉が私の記憶に残っている。とても穏やかな猫で、いつも遠くをジッと見つめている目が印象的。多摩川の厳しい環境を背おっているかのようにも見えて愛しい。Fさんがいつも焚き火をするのでアカの顔や体はススでうす汚れていて、寒さの厳しい時期にはついヒゲを焦がしてしまう。 |
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