Part 1

 私達(夫婦)は多摩川河川敷の複数ヶ所の猫を1989年以来、一日も休むことなく面倒を見ています。捨てられた猫は飢えや病気などで体調を崩した猫が殆どですが、鼻気管炎・口内炎・皮膚病など大抵の病気は自分の手で治療処置して様子を見ます。また精神的にも打撃を受けているので気のつく限り丁寧にケアをしています。厳しい環境下で生き抜こうとしている猫達の心と体に癒しを与えてあげれれば幸いですし、もって生まれた寿命を最後まで全うさせてあげたいと思っています。  ( 小西 美智子 )

 多摩川河川敷全域 ( 奥多摩〜羽田河口までの両岸 ) に棲む猫の救済・撮影・取材を不定期に続けています。彼らは身勝手な人に遺棄されたものです。多くの猫は慢性的な飢えやストレス・病気などで苦しんでいるばかりか虐待や実験動物としての捕獲も横行しているのが実態です。これらの不幸な猫達は厳しい環境下においても、ひたすら生きようと努力をします。また無念にも虐待や病気などで命を落としてしまう猫もいます。そういった猫の現実を身をもって知っていく度に、いつしか彼らの『生きた証』を残して人に伝えていくことが義務ではなかろうかとさえ思うようになりました。出会いがしらではなく、恵まれない多くの猫への給餌や病気の治療などに何度も足を運びながら撮影・取材した猫の表情には心を打つメッセージがあるはずです。それらの写真は一部を除きネットの特質上HPには掲載いたしませんが、写真展などでご覧いただければ幸いです。   ( 小西 修 )

( 現在のボス  ホタル ♂ )
亡きマロの後を継いでこの軍団のボスに君臨。外敵を追い払ったりパトロールをして、ここの猫を守っているたくましい猫。( 推定年齢13歳 )
 ( マリア  ♀ )
自らの子4匹といっしょに2000年6月10日に捨てられた。いくつかの悲しい出来事をのり越え生きている。
 ( クララ  ♀ )
98年2月19日に捨てられた。歳を重ね体調を崩すこともあるが頑張って生き抜いている。
( チャッコ  ♀ ) ( シロミ ♀ ) ( ボンカン ♀ )
捨てられた頃から警戒心の強かった猫。やっと5年目にして私に甘える喜びを知った。 付近で飼われていた猫だが充分に面倒をみてもらっていなかった様子で移動してきた。 当初は何度もホタルに追い払われたが、諦めることなく通い続けここの一員になった。
(  チャースケ 6歳 ♂ ) ( ボタ ♂ ) ( ブルー ♀ )
捨てられた当初はパニックで食べることもできなかったが、今ではすっかりなじんだ。 堂々とした猫だが最近虐待を受けてしまい、やせ細り極端に人を怖がるようになった。 もともと少し離れた場所にいる猫だが食事のときだけチャッコの目を気にしながら通ってくる。
( ズモ ♂ ) ( ヤズ ♂ ) ( イワ ♂ )
08年になってから離れた場所からときどきやって来るようになった。 必要以上に威圧感を与えながら近づくのでどの猫からも嫌われている。 07年8月19日に捨てられた。その後左前肢を車にひかれたが幸いにも回復した。
( タンコ ♀ ) ( テンテン 4歳 ♀ ) ( ロ ス  ♂ )
注意深く足を運び、慌てて食べた後は速やかに立ち去っていく。 04年12月24日の雪の降る日に捨てられ、廃車の下に棲んでいた小柄で賢い猫。 08年1月23日、雪とみぞれの降る凍てつく日に捨てられた。
( シロチン 2歳 ♂ ) ( クロチン 2歳 ♂ ) ( エース 1歳 ♂ )
食には貪欲で大きく育っている。生きていくための様々な経験を積んでいる最中。 体力的なハンデからロスにテリトリーを追われるが時間差で食にありつく。 アカ2号というボス猫を父にもち、若くして周囲のパトロールに専念している。
( マミヤ ♀ ) ( べべ 1歳 ♂ ) ( ジェイビー 1歳 ♂ )
お腹をすかしてホームレスさんの小屋に迷い込んできた猫。 常に人のそきばにいたがる人恋しい猫。心無い人からの虐待がなければ良いが・・・ 生まれたときから人の恩恵を受けており身も心も健全に育っている。
( ロック 1歳 ♂ ) ( ホワン 1歳 ♂ ) ( デンデン ♂ )
07年6月生まれ、同年9月の増水時にはたまたま近くの木に登って助かった。 マミヤの子供。付近にマナーの悪い犬の飼い主が多いのでいつも危険にさらされている。 07年12月11日の激しく雨の降る日に捨てられた。
( ミケハハ ♀ ) ( チャアカ ♂ ) ( トラ ♂ )
07年9月6日の台風9号による多摩川の増水で翌朝7〜8匹の猫と3人のホームレスさんが小屋ごと濁流にのまれてしまった。飼い主が帰ってくる事はなかったが、1週間後に3匹の猫が奇跡的に元の場所に生還した。
( リュウ ♀ ) ( リュウジ ♂ ) ( デーブ 6歳 ♂ )
08年2月に捨てられた。不安により警戒心が強かったが少しずつ食べられるようになった。 08年3月頃捨てられたと思える大柄な猫。強い警戒心をもっているが何とか生きている。 近くに住むホームレスさんの飼い猫。ときどきミケハハ達の餌場にやってくる。
( ダイコ 2歳 ♀ ) ( チーチ 8ヶ月 ♀ ) ( モ ト ♂ )
兄弟3匹をダンボール箱に入れて捨てられ、カラスに襲われているところを助け出された。 鼻気管炎が原因で右目を失明。遊び盛りで愛らしい猫。 07年夏に捨てられた。警戒心が強いが徐々に自分の身の置き場を見つけた。


Copyright(C)2002 osamu konishi All right reserved